Column – 13
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ加害者(行為者)の問題を相談する担当者の人選~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「望ましい担当者」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者に求められる姿勢」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」で留意すること
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談担当者の人選」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。
2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」について言葉の意味から復習しましょう。
■ 「相談」の意味
- 互いに意見を出して話しあうこと。
- 談合。
- 他人に意見を求めること。
出典:広辞苑
■ 「担当」の意味
- うけもつこと。
- ひきうけること。
- 担任。
出典:広辞苑
■ 「者」の意味
- その道になれた者。
- くろうと。
出典:広辞苑
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者」とは、各々の言葉の複数ある意味から適切と思われるものを選択すると以下のように理解することができます。
「他人に意見を求めることをひきうけることになれた者」
この意味に、以前のコラムでもお伝えした「パワーハラスメント(パワハラ)」の言葉の意味を追加すると、「パワーハラスメント(パワハラ)相談担当者」とは以下のように理解することができます。
「職場で、上司がその地位や権威、また権力や立場を利用して弱い立場の部下にわざわざ相手のいやがることを言葉・暴力・無視・仲間外れなどにより精神的・身体的苦痛を加え、部下を悩まし苦しめること。そして、上司自らをいためつけるようにすること。」について、「他人に意見を求めることをひきうけることになれた者。」
3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口を社内に設置する場合、パワーハラスメント(パワハラ)の相談を受ける人を社内から人選する必要があります。ただし、専任として配置することが難しいことから、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者は兼任になることが多くなります。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、ほとんどの場合は以下の人たちの中から選任されます。
- 人事部
- 総務部
- 法務部
- コンプライアンス部
- 管理職
では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、どのような人が望ましいか見てみましょう。
4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「望ましい担当者」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「望ましい担当者」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「望ましい担当者」とは以下の通りです。
- ハラスメントや人権問題に対する十分な理解を持つ者
- 中立的な立場で相談を受け、解決に向けて取り組むことができる人材
- 男女含めた複数の担当者
- 外部に相談の内容が漏れることがないよう守秘義務を徹底できる人材
はじめから、このような人材の人選が難しい場合は、育成する観点から担当者を選ぶことが重要です。はじめから完璧を求めるのではなく、必要な知識を学びつつ、実際の相談を受け実績を積むことでパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者として自信をもって対応できるようになります。
5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者に求められる姿勢」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者に求められる姿勢」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「「相談担当者に求められる姿勢」」とは以下の通りです。今回は一時対応の相談員に求められる姿勢を見ていきましょう。
- 真摯な態度で相談者の話を忍耐強く聴く姿勢。
- 聴き役に徹することができる姿勢。
- 相談者が相談しやすくなるようにサポートできるような姿勢。
- 相談者が感情的になっても同調しない姿勢。
- 相談担当者ができることと、できないことを峻別できる姿勢。
- 緊急性を要する相談について、相談者に適切な対応を説明できる姿勢。
- 相談者の心身が極めて疲弊した様子の時は、医療専門家へ引き継ぐことができる姿勢。
パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口の担当者は、悩んでいる相談者に対しては、これに寄り添う姿勢を示すことが大切です。ただし、相談者から「これはパワハラですよね」と同調を求められた場合は、「相談担当者としてパワハラかどうか判断できる立場ではない」旨、伝えることが重要となります。
6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」で留意すること
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」で留意すること
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者の役割は、実際に担当してみると、その業務の難しさや負担の大きさ、また責任の重さを痛感します。また、相談担当者がメンタル不調に陥るケースも年々増えています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者を人選する場合、相談担当者の役割をしっかりと説明し、兼任する業務とのバランスがとれるよう他の社員への協力を要請することも重要です。
7. まとめ
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、日々の業務に加え、ある日突然パワーハラスメント(パワハラ)の相談にのることから、担当者への負担が増えることが懸念されています。
相談する人が安心して相談できる相談員を人選するためにも、相談員の役割を明確にし、相談員だけに負担が重くのしかからないように配慮することが重要です。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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