パワハラ相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」

Column – 18
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」~

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パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「行為者(加害者)・相談者(被害者)へのフォロー」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」について見ていきましょう。

【目次】

  1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
  2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
  3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」とは
  4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ行為(加害)が認められなかった場合の措置」ポイント
  5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ行為(加害)が起きた原因の分析」
  6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「行為者(加害者)への再発防止措置」
  7. まとめ

 1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは

以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。


では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「パワハラ事案 再発防止策検討」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。


 2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは

以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」について復習してみましょう。


  1. 相談窓口(一次対応)


  2. 事実関係の確認


  3. 行為者・相談者への措置検討


  4. 行為者・相談者へのフォロー


  5. 再発防止策検討



パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談対応の大まかな流れ」は、このように段階を追って進めていきます。各段階について詳しくみていきますが、今回は「パワハラ事案 再発防止策検討」の理解を深めてみましょう。

 3. パワハラ相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」とは

パワハラ相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談について、「行為者(加害者)・相談者(被害者)へのフォロー」の次に対応するのが、「パワハラ事案 再発防止策検討」です。「パワハラ事案 再発防止策検討」とは、改めて職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)に関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずることです。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談の「パワハラ事案 再発防止策検討」は大きく分けて2つあります。


  1. 職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)を行ってはならない旨の事業主の方針及び職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)に係る言動を行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に改めて掲載し、配付等すること。

  2. 労働者に対して職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)に関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施すること。

このように、パワーハラスメント(パワハラ)に関する相談を受け、パワハラ行為(加害)の発生が確認できた場合は、パワハラ加害者(行為者)およびパワハラ相談者(被害者)だけの問題にとどめず、組織で働く人全員に対しパワーハラスメント(パワハラ)防止に関する意識を高めるための周知をすることが重要です。


では、次に、パワハラ行為(加害)が認められなかった場合に関する措置のポイントについて見ていきましょう。


 

 4. パワハラ相談窓口「パワハラ行為(加害)が認められなかった場合の措置」ポイント


■ パワハラ相談窓口「パワハラ行為(加害)が認められなかった場合の措置」ポイント

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ行為(加害)が認められなかった場合の措置」のポイントは以下の通りです。


  • 職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)が生じた事実が確認できなかった場合においても、同様の措置を講ずること。


  • 職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)に関する相談が寄せられた場合は、たとえパワーハラスメント(パワハラ)が生じた事実が確認できなくても、これまでの防止対策に問題がなかったかどうか再点検し、改めて周知を図ること。



このように、たとえパワハラ行為(加害)が生じた事実が確認できなかった場合においても、パワーハラスメント(パワハラ)に関する相談があったという事実をきっかけに、パワーハラスメント(パワハラ)の発生が確認できた場合と同様の措置を講ずることが必要です。


 5.パワハラ相談窓口「パワハラ行為(加害)が起きた原因の分析」


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ行為(加害)が起きた原因の分析」

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口へ寄せられた相談について、組織全体に向け再発防止措置を実施することの必要性について述べてきましたが、パワハラ行為(加害)の再発を防止するためには、なぜ、組織内でパワーハラスメント(パワハラ)が起きたのか背景や原因を分析することが重要です。


特に、実際にパワーハラスメント(パワハラ)の発生が認められた場合には、パワハラ行為者(加害者)やパワハラ相談者(被害者)だけに焦点を当てるのではなく、職場環境や企業風土、業務量または売上等への過度なプレッシャーについても確認する必要があります。


職場環境や企業風土など、働く現場が要因となっていた場合は、今回の事案に関わる人たちだけではなく、同じ環境で働く人々も将来的にはパワハラ行為者(加害者)またはパワハラ相談者(被害者)になる可能性があることを認識した上で、パワーハラスメント(パワハラ)が起きない環境等に整備することが求められます。



 6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「行為者(加害者)への再発防止措置」


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「行為者(加害者)への再発防止措置」

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談について、パワハラ行為(加害)の発生が認められた場合は、パワハラ行為者(加害者)への再発防止措置を講ずることが重要です。しかし、パワハラ行為者(加害者)への対応で悩む組織は多く、再発防止措置を十分に行うことなく対応を完了する組織も多くあります。


その結果、同じパワハラ行為者(加害者)が再びパワーハラスメント(パワハラ)行為をし、前回よりも被害が甚大になることもしばしば見受けられます。では、なぜパワハラ行為(加害)が繰り返されるのでしょうか。


同じパワハラ行為者(加害者)が再びパワーハラスメント(パワハラ)行為をする原因は以下の通りです。


  • パワハラ行為者(加害者)を処分することが再発防止対策だと思っている


  • パワハラ行為者(加害者)がパワハラを起こした原因を分析することなく対応を完了してしまう


  • パワハラ行為者(加害者)に厳重注意だけ行って対応を完了してしまう


  • パワハラ行為者(加害者)に「始末書」を書かせれば再発防止ができると思っている


  • パワハラ行為者(加害者)に更生研修を受講させていない


  • パワハラ行為(加害)に至った根本的な要因が解決できていない



このように、パワハラ行為者(加害者)への対応が十分でない場合は、「事実認定」、「パワハラ認定」、また「懲戒処分」を行ったとしてもパワーハラスメント(パワハラ)の再発を免れることは難しくなります。


パワハラ行為者(加害者)への再発防止対策については、後日ブログで詳しくお伝えする予定です。



 7. まとめ


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談で、パワーハラスメント(パワハラ)の発生が認められた時、認められなかった時の「パワハラ事案 再発防止策検討」について学んできました。


今日学んだ、「パワハラ事案 再発防止策検討」が適切に行われない限り、組織からパワーハラスメント(パワハラ)を根絶することは難しくなります。


パワハラ行為(加害)が起きると甚大な時間と労力が必要となり、労務人事管理を担当する部署のスタッフへの負担は計り知れません。パワーハラスメント(パワハラ)が起きないように防止することと同時に、パワーハラスメント(パワハラ)が起きてしまった時に対策を強化することの積み重ねが、組織からパワーハラスメント(パワハラ)を無くすためには重要です。


 最後に

パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。


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