Column – 19
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ相談窓口「相談窓口の運用ポイント」~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ事案 再発防止策検討」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「プライバシーが確保できる部屋の準備」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「守秘義務の徹底」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口での対応の明確化」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口対応マニュアルの作成 」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談記録票の準備」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者のスキルアップ 」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備」とは
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口の運用ポイント」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。
2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」について復習してみましょう。
- 相談窓口(一次対応)
- 事実関係の確認
- 行為者・相談者への措置検討
- 行為者・相談者へのフォロー
- 再発防止策検討
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談対応の大まかな流れ」は、このように段階を追って進めていきますが、一次対応としての機能を果たす「相談窓口」の役割は非常に重要です。
では次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口の運用ポイント」について詳しくみていきましょう。
3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」とは
職場においてパワーハラスメント(パワハラ)と思われる言動により被害を受けた人が相談する場所の1つが、社内に設置されたパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口です。被害を受けた人は、相談するまでに長い時間悩み、意を決してパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に連絡することが多くなります。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談の一次対応が、今後の行方を左右するといっても過言ではありません。相談者が安心して相談できるパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口の運用のポイント」は以下の通りです。
- プライバシーが確保できる部屋の準備
- 守秘義務の徹底
- 相談窓口での対応の明確化
- 相談窓口対応マニュアルの作成
- 相談記録票の準備
- 相談担当者のスキルアップ
- カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、このような「相談窓口の運用のポイント」を参考にして運用してください。ただ、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口を設置しただけでは、被害を受けている人が安心して相談をすることはできません。
では次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口の運用のポイント」の各項目について詳しくみていきましょう。
4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「プライバシーが確保できる部屋の準備」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「プライバシーが確保できる部屋の準備」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「プライバシーが確保できる部屋の準備」とは以下の通りです。
- 壁で仕切られた部屋であること
- ドアのある部屋であること
- 話し声が外に聞こえにくい部屋であること
- 入退室が分かりにくい場所であること
- パーソナルスペースが確保できる場所であること
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談した人が対面式で相談をする場合や相談担当者が対面式でヒアリングをする場合を想定していますので、電話やオンラインで対応する場合は内容が異なってきます。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談方法は対面や電話など様々な方法がありますが、いずれの場合でも「相談者のプライバシーが守られ安心して相談できる場所」であることが運用の重要なポイントとなります。
また、対面式において「パーソナルスペース」が確保できる場所が必要となります。人間は、他者に侵入されると不快に感じる空間が存在していることから、相談者と相談員の距離が1.2メートル離れることができるスペースが確保できる部屋を準備してください。
一方、「プライバシーが確保できない部屋」とはどのような部屋なのでしょうか。プライバシーが確保できていない部屋とは以下の通りです。
- 壁で仕切られていない場所
- 他の人から見える場所
- 話し声が外に聞こえる場所
- 入退室が分かりやすい場所
- パーソナルスペースが確保できない場所
「プライバシーが確保できない部屋」のリストに記載した通り、プライバシーが確保できない部屋とは、「プライバシーが確保できる部屋」と真逆の部屋だと理解してください。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口へ相談に来た人の立場になり、相談者が安心して相談できる環境を整えることを心掛けることが大切です。
5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「守秘義務の徹底」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「守秘義務の徹底」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口へ寄せられた相談について、相談対応と、事実の確認等の相談後の対応において、プライバシー保護のための「守秘義務の徹底」の措置を講ずる必要があります。パワハラ指針でも、相談者や行為者の情報は、当事者のプライバシーに属するもので、対応に当たっては、プライバシー保護のために必要な措置を講ずることを求めています。
では、「守秘義務の徹底」の措置を講ずるために取り組むことはどのようなことでしょうか。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口へ寄せられた相談の「守秘義務の徹底」のポイントは以下の通りです。
- プライバシー保護の「守秘義務の徹底」は、相談者への対応時だけではなく、行為者、また第三者へのヒアリング時にも説明します。「守秘義務の徹底」は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談員だけではなく、相談者、行為者、また第三者全ての人が守ることが必要ですので、各立場の人へのヒアリングを実施する際に担当者から守秘義務の説明をしてください。
- 相談者、行為者、また第三者からヒアリングをする時は内容を確認するためにメモを取りますが、メモを取ることへの許諾を得たうえで、秘密を厳守することを伝えてからメモを取るようにしてください。録音をする場合も同じですが、録音に対しては抵抗感を感じる人もいますので、録音することへの許諾を得られない場合は、記録を残すことの目的について理解を得られるように説明をしてください。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談について、相談員だけではなく、組織内の他の部署や担当者に情報を共有する必要がある時は、「どのようなことを目的に共有する必要があるのか」相談者が理解できるように説明した上で、どんなに小さなことでも必ず相談者から承諾を得てください。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談について、事実確認をするためには、行為者や第三者からヒアリングをする必要があります。ただし、行為者や第三者からヒアリングをする時は、必ず相談者から了解を得た上で進めてください。相談者が行為者や第三者へヒアリングすることで二次被害を受けることを恐れる場合は、「行為者や第三者にも守秘義務を徹底させること」、「行為者には報復行為の禁止を伝えること」、また「不利益な取り扱いの禁止」について丁寧に説明してください。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談に関するプライバシー保護の「守秘義務の徹底」は、相談の行く末を左右する要になりますので、マニュアルの作成、相談員向けの研修等により誰しもが同じ知識を得、誰しもが徹底して守ることができるように対策を講じてください。
また、パワハラ指針では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口では、プライバシー保護の措置を講じていることを社内報やパンフレット等に掲載し、配付することを指導していることに配慮した対応をすることが重要です。
6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口での対応の明確化」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口での対応の明確化」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、相談者からの信頼を得ることで、有効な機能を果たすことができます。相談者が「相談窓口は、自分の思いをしっかりと聴いてくれる」という感情を抱いていれば、相談者からの協力も得やすくなります。相談者からの「信頼を得る」ことができるように、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口での対応の明確化をすることが必要です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口での対応を明確化するためのポイントをみていきましょう。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口で相談を受ける時は、出来る限り男女2名体制にしてください。そして、相談者へ相談担当者の立場を説明し、誰がどのように対応するのか相談者が理解できるように伝えてください。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者の立場と自己紹介をしたら、相談担当者は相談内容について秘密を守ること、相談をすることで不利益な取扱いをされることはないことを説明します。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談について、相談者が希望する場合、また相談者から了解を得られた場合は、相談担当者、または他の担当者が行為者または第三者へヒアリングをすることを相談者へ説明してください。ただし、相談者が希望しない場合や了解を得られない場合は実施しないことも伝えてください。
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談について、相談者から了解を得られた場合は、行為者や第三者にヒアリングをして事実確認をしますが、時間を要することが想定されますので、相談者が不安にならないように、進捗状況をお知らせすることを説明してください。
- 相談者から相談される時に聴き取る事柄のチェックリスト(相談票の作成)
- 相談者に対し説明する相談対応の一連の流れ
- 相談者から聴き取った内容の記録と報告のルール
- 相談対応時の留意点(プライバシーへの配慮、相談に聴き方等)
- 相談者のプライバシーが確保できる部屋を準備する
本コラム「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「プライバシーが確保できる部屋の準備」とは」を参考にしてください。
- 相談者が冷静に話ができるよう心がける
できる限り、相談者が女性の場合は、女性の相談担当者も同席する。
- 相談内容の秘密が守られることを説明する
相談者のプライバシーを守ること、相談者の了解なく行為者に話をしないこと、相談することによって組織内で不利益な取扱いを受けないこと、を説明する。
- 相談対応の全体の流れを説明する
相談窓口の役割や、解決までの流れ、組織のパワハラに対する方針等の説明をする
- 相談者の話しをゆっくり、最後まで傾聴する
- 1回の面談時間は約50分が適当
- 相談者が主張する事実を正確に把握することが目的となるため、意見を言うことは原則として控える
- 事実関係を整理し、相談者とともに確認する
- いつ、誰から、どのような行為を受けたか、目撃者はいたか等を整理し、相談記録表等に記入する。
- 証拠書類(手帳や業務記録)があれば、コピーし保存する。
- 人事担当部署などに相談内容を伝え、事実関係を確認することや対応案を検討することについて同意を得る
- 相談者が行為者や他従業員からの事情聴取を望まない場合は、組織としてこれ以上の対応(行為者への指導や処分等)はできないことを説明する。
- 相談者の意向を尊重して対応する。
- 「パワハラを受けるなんて、あなたの行動にも問題があったのではないか」と相談者を責める
- 「どうしてもっと早く相談しなかったのか」と責める
- 「それはパワハラですね」「それはパワハラとは言えませんね」と断定する
- 「これくらいは当たり前。あなたの考え過ぎではないか」と説得する
- 「そんなことは大したことではないから、我慢した方がいい」と説得する
- 「パワハラ行為者は決して悪い人ではないから、問題にしない方がいい」と説得する
- 「そんなことでくよくよせずに、やられたらやり返せばいい」とアドバイスをする
- 「個人的な問題だから、相手と二人でじっくり話し合えばいい」とアドバイスする
- 「そんなことは無視すればいい」とアドバイスをする
- 「気にしても仕方がない。そのことは忘れて、仕事に集中した方がいい」とアドバイスをする
- 相談者の名前
- 相談者の所属
- 連絡先: 携帯/メール、連絡する希望の時間帯、留意点等
- 経緯: 日時、場所、目撃者、行為者、他の被害者、本人との関係
- 相談歴の有無
- 心身の状態: 睡眠の乱れ、食欲の低下、落ち込みやイライラ、頭痛やめまい、動悸や冷や汗、等
- 本人の希望: 話を聴くだけでよい、異動したい・異動させてほしい、注意してほしい、謝罪してほしい、処分してほしい、等
- 守秘義務の範囲
- 備考
- パワーハラスメント(パワハラ)とは何か
- パワーハラスメント(パワハラ)相談担当者の役割
- パワーハラスメント(パワハラ)相談担当者の具体的な心構え
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談対応の流れ
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口のヒアリングする内容
- カウンセリングとパワーハラスメント(パワハラ)相談対応の違い
- 難しいパワーハラスメント(パワハラ)相談への対応
- パワーハラスメント(パワハラ)相談対応ロールプレイ
このように、相談者へパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口での対応を明確化することにより、相談者も安心して相談できるようになります。
7. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口対応マニュアルの作成 」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口対応マニュアルの作成 」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口をパワハラ防止措置の一環として、社内に設置する場合は、パワーハラスメント(パワハラ)相談に対して誰が担当しても適切な対応ができるよう、事前にマニュアルを作成することが必要です。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者へのマニュアルには、相談を受けた場合の留意点に関するマニュアルやチェックリストを作成してください。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者へのマニュアル作りのポイントは以下の通りです。
特にプライバシー保護については、パワハラ指針でも必要な措置を講ずることを求めていますので、プライバシー保護のために必要な措置をマニュアルに定め、相談担当者はそれに基づき対応してください。
また、相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリストに記載する項目は以下の通りです。
また、相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリストに記載する項目は以上となりますが、このチェックポイントに沿って対応することで、誰が担当をしても安定した対応が可能となります。では、相談担当者が相談者に対して伝えるNGワードについてもみていきましょう。
相談者に共感を示さないNGワードは以下の通りです。
人は誰かの役に立ちたいと思い、自分の意見を言うことで状況の改善を望むこともあります。しかし、パワーハラスメント(パワハラ)相談員という立場を逸脱した発言になることを認識せず、個人の思いを伝えてしまうことがありますので注意が必要です。
8. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談記録票の準備」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談記録票の準備」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談する時の相談者の心情に配慮して話を聴くことが大切ですが、相談するまでに長い時間悩んでいる相談者やパワーハラスメント(パワハラ)と思われる行為で傷つけられている相談者も多くいます。このような場合は、相談者が時系列に沿って相談員が分かりやすいように話すことは難しくなります。
そのため、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、相談者に配慮しつつも、出来る限り必要な情報を相談者に話してもらうためには、「パワーハラスメント(パワハラ)相談票」を準備して相談対応する必要があります。では、「パワーハラスメント(パワハラ)相談票」には、どのような項目が必要かみてみましょう。
「パワーハラスメント(パワハラ)相談票」の項目は以下の通りです。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談する時の相談者の心理状況により、話し方、希望すること等が異なってきます。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者はいかなる状況においても必要事項を聴き漏らすことがないように、必ず「パワーハラスメント(パワハラ)相談票」を準備してから相談対応をしてください。
では次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談担当者のスキルアップ」について詳しくみていきましょう。
9. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者のスキルアップ 」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者のスキルアップ 」とは
パワーハラスメント(パワハラ)防止の措置を講じるため、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口および相談窓口担当者を定める必要があります。相談担当者が適切に対応できるか否かにより組織によるパワーハラスメント(パワハラ)防止の成否につながるため、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の対応を相談担当者の力量に任せるのではなく、マニュアルの整備だけではなく、相談担当者のスキルアップを図るための研修を導入することが重要です。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者を専属で雇用することは難しいため、人事労務管理担当窓口が通常の業務との兼任でパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当をすることが多くなります。そのため、ある日突然、パワーハラスメント(パワハラ)の相談を受けた時でも、安定した対応ができるように、相談担当者専用の研修を受けることが大切です。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者専用の研修のカリキュラム例は以下の通りです。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者のための研修のカリキュラム例をみてきました。この研修で最も重視するのが、パワーハラスメント(パワハラ)相談対応ロールプレイです。
パワーハラスメント(パワハラ)相談対応ロールプレイは、相談者、相談担当者の役割に分かれて、様々なパワーハラスメント(パワハラ)のロールプレイをします。この時に、オブザーバーも配置することで、相談担当者の対応の良かった点、改善できる点を客観的な視点から伝えることもできます。
パワーハラスメント(パワハラ)相談対応は、誰しもが簡単にできることではありません。五感をフルに活動させつつ、相談担当者の感情等もコントロールすることが求められますので、普段から実践に備えた練習を積むことが大切です。
では、最後に「カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備」について学んでみましょう。
10. 「カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備」とは
ここまで、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」の各ポイントについて詳しく学んできましたが、最後に「カウンセラーや医師など専門家とも連携してフォローできる体制の整備」についてみていきましょう。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談の内容や状況に応じて、相談窓口担当者に対し、人事部門や専門家による連携やバックアップができる体制の整備をすることで、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者個人の力量に左右されない相談対応の体制を整えることができます。
例えば、相談者が不眠やうつ症状に苦しんでいる状態であれば、産業医へ医的支援の要請をすることが重要です。このような状況においても相談窓口担当者だけで対応するならば、取返しのつかない大きな問題等に発展することが考えられますので、「専門家へ繋ぐ」役割がパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者にはあることを理解してください。
11. まとめ
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」について詳しく学んできました。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、相談窓口を設置するだけでは意味がありません。パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための有効な手段として窓口を活用するためには、今日学んだパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口の運用ポイント」を参考に運用を試みてください。
相談者が悩みに悩んでパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の扉をただくことも多くあります。相談者が安心して相談できるパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の運用の成否が、組織のパワーハラスメント(パワハラ)防止に大きく影響することを覚えておいてください。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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