パワハラ相談窓口「チェックリスト:相談に対する適切な対応」

Column – 26
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ相談窓口「チェックリスト:相談に対する適切な対応」~

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パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談に対する適切な対応」について見ていきましょう。

【目次】

  1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
  2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
  3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構え」とは
  4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは
  5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」
  6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談に対する適切な対応」
  7. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは
  8. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは
  9. まとめ

 1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは

以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。


では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談に対する適切な対応」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。


 2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは

以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」について復習してみましょう。


  1. 相談窓口(一次対応)


  2. 事実関係の確認


  3. 行為者・相談者への措置検討


  4. 行為者・相談者へのフォロー


  5. 再発防止策検討



パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談対応の大まかな流れ」は、このように段階を追って進めていきますが、一次対応としての機能を果たす「相談窓口」の役割は非常に重要です。



 3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構」とは

以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構え」について復習をしてみましょう。


職場においてパワーハラスメント(パワハラ)と思われる言動により被害を受けた人が相談する場所の1つが、組織内に設置されたパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口です。ただし、相談窓口を設置しても、実際に組織で働く人からすぐに相談が寄せられない場合があります。


組織内で働く人にとっては、パワーハラスメント(パワハラ)について相談することは、ハードルが高いため、以前のコラムでもお伝えしたようにパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談しやすくするための工夫が必要です。


被害を受けた人は、相談するまでに長い時間悩み、意を決してパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に連絡することもあります。そのため、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談の一次対応が、今後の行方を左右するといっても過言ではありません。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談の今後の行方を左右する要因の1つが、「相談窓口担当者」です。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者の対応が相談窓口の重要な役割を果たしますので、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」について改めて振り返ってみましょう。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」とは以下の通りです。


  1.  相談者にとってパワーハラスメント(パワハラ)の問題を相談するのはハードルが高いことを理解する。

  2.  1回の相談は50分を限度にする(面談の初めに相談者に伝える)。50分を超える場合は、別の日に面談を設ける。

  3.  相談者のプライバシーを守ること、相談によって社内で不利益な取扱いを受けないことを面談前に説明する。

  4.  中立的な立場で相談を受けるようにして、相談者の心情に配慮しながら、相談しやすい対応を心がける。

  5.  自分の価値観や偏見を持つことは厳禁であることを理解する。

  6.  相談者が主張する事実を正確に把握することが目的であり、意見を言うことは控えること。

  7.  相談者の気持ちを考え、言葉や態度で傷つけないように配慮すること。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」のポイントは、前述した通りですが、この心構えは一朝一夜にして理解し実践につなげることができるほど容易なことではありません。また、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」は継続して学び、日々スキルアップすることが重要です。


特に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談対応を専属にしているわけではなく、他の仕事と兼務しているパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者は、定期的にスキルアップできるよう計画的にパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者専用の研修の実施をしてください。


では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」について復習してみましょう。



 4. パワハラ相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは

以前のコラムでも説明しましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは、相談窓口として必要な知識とスキルを身につけ、常日頃からスキルアップを図ることです。  


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者に対しても、まずは、他の従業員と同様にパワーハラスメント(パワハラ)についての研修を行い、パワーハラスメント(パワハラ)の定義やその具体的な事例について理解することが重要です。その上で、次に説明する「相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」を活用し、相談窓口担当者に、対応の流れや対応の心構えなどを説明してください。


また、例えば、パワーハラスメント(パワハラ)とセクシュアルハラスメント(セクハラ)が同時に発生する場合や、一見パワーハラスメント(パワハラ)と考えられる事案にセクシュアルハラスメント(セクハラ)としての要素が含まれていることなどもあることから、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者は自分のパワーハラスメント(パワハラ)のイメージにとらわれないようにすることが大切です。


そして、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者が人事異動などにより交代する場合は、引き継ぎ(相談対応の状況や留意点)を行うようにしてください。加えて、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者が、パワーハラスメント(パワハラ)、メンタルヘルス、人権問題、コンプライアンス、ダイバーシティ等の理解やカウンセリングマインドが醸成できるようにするとより望ましいスキルアップになります。


では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者向け「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」について詳しくみてまいりましょう。  



 5. パワハラ相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」とは、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者が相談担当する際の注意点や心構えが書かれているリストです。


「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」に書かれている項目は以下の通りです。  


  1.  相談者のプライバシーが確保できる部屋を準備する


  2.  相談者が冷静に話ができるように心がける


  3.  相談内容の秘密が守られることを説明する


  4.  相談対応の全体の流れを説明する


  5.  相談者の話をゆっくり、最後まで傾聴する


  6.  事実関係を整理し、相談者とともに確認する 


  7.  人事担当部署などに相談内容を伝え、事実関係を確認することや対応案を検討することについて同意を得ること


  8.  相談者から「死にたい」などと自殺を暗示する言動があった場合には、産業医などの医療専門家等へすみやかに相談する



パワーハラスメント(パワハラ)に関する相談対応をする時は、このチェックリストを参考にして準備をすることで、誰が対応しても安定した相談対応ができるようになります。


では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」の各項目について詳しくみてまいりましょう。



 6. パワハラ相談窓口「チェックリスト:相談に対する適切な対応」


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談に対する適切な対応」

今回のコラムでは、「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」に書かれている項目の内、「相談者が冷静に話ができるように心がける」について詳しく学んでいきましょう。


2. 相談者が冷静に話ができるように心がける


以前のコラムでもお伝えしましたが、相談者が冷静に話ができるようにするための「相談に対する適切な対応」とは以下の通りです。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が、相談者が冷静に話ができるように相談の内容や状況に応じて適切に対応できるようにすることが重要です。対応のポイントは以下の通りです。


  • 被害を受けた労働者が委縮して相談を躊躇する例もあること等をふまえる。

  • 相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮する。

  • パワハラが現実に生じている場合だけでなく、発生のおそれがある場合やパワハラに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応する。
        
   

このように、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、相談者が冷静に話ができるように状況に応じた臨機応変な対応が求められてきます。次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口で適切な対応をするための取組例をみてみましょう。



 7. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が相談者へ適切な対応ができるような取組例を紹介します。


  • 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門(ほか担当部門)とが連携を図ることができる仕組みとすること。

  • 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応すること。

  • 相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての相談窓口専用の研修を行うこと。

         

パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口の担当者は、兼任の場合が多く、常に相談を受けられる体制ではないことも事実です。パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口は予告なしにパワハラの相談を受けることも多いため、手順や留意事項を記載したマニュアルの整備づくりが適切な相談対応では非常に重要となります。


次に、パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口の相談対応へのポイントについて詳しく解説します。



 8. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは


■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは

パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が、相談者が冷静に話ができるように相談者への適切な対応をするためのポイントは以下の通りです。


  1. 相談者の話しに真摯に耳を傾け、相談者の意向などを的確に把握する。特にパワーハラスメント(パワハラ)を受けた心理的影響から理路整然と話すことができない場合があるので、忍耐強く聴くように努める。


  2. 相談を受ける場所や時間帯等も、相談者が安心して相談できる環境を整えること。


  3. 相談者に事務的な一律な対応をするのではなく、相談者の性格や受けているパワハラの態様により、状況を注意深く見守る程度から、上司、同僚などを通じ行為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すものなど事案に即した対応をすること。   


  4. 公正な立場に立って、真摯に対応すること。相談を受けて終わりではなく、組織としてどのように判断し、どのように対応していくのか等を相談者へフィードバック(お伝え)すること。


  5. 二次被害(相談者が相談窓口の担当者の言動等によってさらに被害を受けること等)を防止するための対応を心掛けること。   


  6. 相談担当者が安定して相談を受けられるように相談窓口専用の研修を受けること。


  7. 相談事項を放置せず、初期の段階で迅速な対応をすること。


  8. 対応に時間を要する場合は、その状況や対応に必要な期間等を相談者に必ず伝えること。




 9. まとめ


今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「(一次対応)担当者のためのチェックリスト」および、リストの中の項目である「相談者が冷静に話ができるように心がける」について学んできました。


パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口を設置しただけでは、パワーハラスメント(パワハラ)の被害を受けている人が安心して相談できる相談窓口の運用はできません。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談の行く末を決めるのは、第一次対応をする相談窓口担当者の初動対応次第とも言われています。


ただし、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者の力量に任せるのではなく、誰が対応しても安定して相談を受けられるような仕組みづくりが大切です。相談を受ける時は「パワハラ相談記録票」を使用したり、今回のコラムで学んだ「(一次対応)担当者のためのチェックリスト」を含むマニュアルの整備やパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者専用の研修を受講させるなど、相談窓口の担当者も安心して相談を受けられるように取り組んでください。


 最後に

パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。


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