Column – 12
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ加害者(行為者)の問題を相談する担当者の役割~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「安心して相談できる窓口とは」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一次対応)」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一時対応)+事実確認」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」で留意すること
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談担当者の役割とは」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。
2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者とは」について言葉の意味から理解していきます。
■ 「相談」の意味
- 互いに意見を出して話しあうこと。
- 談合。
- 他人に意見を求めること。
出典:広辞苑
■ 「担当」の意味
- うけもつこと。
- ひきうけること。
- 担任。
出典:広辞苑
■ 「者」の意味
- その道になれた者。
- くろうと。
出典:広辞苑
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者」とは、各々の言葉の複数ある意味から適切と思われるものを選択すると以下のように理解することができます。
「他人に意見を求めることをひきうけることになれた者」
この意味に、以前のコラムでもお伝えした「パワーハラスメント(パワハラ)」の言葉の意味を追加すると、「パワーハラスメント(パワハラ)相談担当者」とは以下のように理解することができます。
「職場で、上司がその地位や権威、また権力や立場を利用して弱い立場の部下にわざわざ相手のいやがることを言葉・暴力・無視・仲間外れなどにより精神的・身体的苦痛を加え、部下を悩まし苦しめること。そして、上司自らをいためつけるようにすること。」について、「他人に意見を求めることをひきうけることになれた者。」
3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」とは大きく分けて2つあります。
- 相談の受付(一次対応)
- 相談の受付(一次対応)+事実確認など
このように、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」には、「相談の受付(一時対応)」と「相談の受付(一時対応)+事実確認」の2つがあります。では、各々の役割について詳しく見ていきましょう。
4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一次対応)」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一次対応)」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」の「相談の受付(一時対応)」について詳しく解説します。
- 相談窓口は一次対応として、相談者からの相談を聞いて、その後の事実関係の調査等は人事担当部署などの他の担当部署に引き継ぐ仕組みである。
- 大企業や他の相談窓口を兼ねている場合は、一次対応としての役割とその後の役割を分ける場合が多い。
「相談の受付(一時対応)」が、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談担当者の役割」の場合は、あくまでも相談の入口として相談者の話しをじっくり聴くことに集中することができます。また、その後の役割は他の人が担うため、各担当者の負担を軽減することも可能となります。
ただし、相談をする人にとっては、一次対応とその後の担当が変わることで不安を感じることがある点を留意する必要があります。
5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一時対応)+事実確認」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談の受付(一時対応)+事実確認」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」の「相談の受付(一時対応)+事実確認」について詳しく解説します。
- 相談窓口は一次対応だけではなく、事実確認など事後の対応を一貫して担当する仕組み。
- 事業規模が小さい場合や相談が多くない場合は、一連の対応を相談窓口が担当する場合が多い。
- 相談窓口担当者が事実確認まで実施する場合は、相談者の心情に配慮しながら、相談者の主張と事実関係を整理し、中立・公平な立場で事実関係を整理する力量も必要となる。
パワーハラスメント(パワハラ)の相談担当者が「相談の受付(一時対応)+事実確認」を担当することは、担当者の負担が非常に大きくなります。また、相談者は、相談窓口として信頼して相談担当者へ素直な気持ち等を話したにも関わらず、結果として相談者が納得できないことを相談担当者が伝えなくてはならない時もあります。
一方、相談者にとっては、同じ人が相談~調査まで一連の流れを対応してくれるため、信頼関係を築き、望ましい結果に導くことも可能となります。
6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」で留意すること
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」で留意すること
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者の役割は、実際に担当してみると、その業務の難しさや負担の大きさ、また責任の重さを痛感します。また、相談担当者がメンタル不調に陥るケースも年々増えています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者の役割は、出来る限り役割を分けて、特定の人たちに負担が掛からないように留意する必要があります。
7. まとめ
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の役割」は、「相談」だけ担う人、「相談+その後の対応」を担う人に分かれています。どちらにおいても、相談担当者の役割は、非常に重要であり、一次対応を誤ると組織の存続にも影響する可能性があります。
相談担当者の役割が、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の信頼性を左右するといっても過言ではありません。相談者が安心して相談できるよう、相談担当者の役割は慎重に決定するようにしてください。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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