Column – 14
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ加害者(行為者)の問題を相談する「相談窓口(一次対応)」~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談担当者の人選」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口(一次対応)」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口(一次対応)」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談に対する適切な対応 」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口(一次対応)」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。
2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは以下の通りです。
- 相談窓口(一次対応)
- 事実関係の確認
- 行為者・相談者への措置検討
- 行為者・相談者へのフォロー
- 再発防止策検討
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談対応の大まかな流れ」は、このように段階を追って進めていきます。各段階について詳しくみていきますが、今回は「相談窓口(一次対応)」の理解を深めてみましょう。
3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口(一次対応)」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口(一次対応)」とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口には、相談担当者の役割が大きく分けて2つあります。
1つは「相談の受付(一次対応)」、もう1つは「相談の受付(一次対応)+事実確認など」です。これらの中で、「相談の受付(一次対応)」は基本的に以下のような対応をします。※電話、対面でも基本的な対応方法は同じです。
- 信頼関係を築くための心温まるあいさつを相談者へ伝える
- 相談者へ守秘義務の説明をする
- 相談者の話しを聴く
- 相談者の要望を確認する
- 言い残したことはないか確認する
- 今後の流れを説明する
- 必要に応じて次回の予約をする
- 勇気をもって相談してくれたことに感謝して終了
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談の受付(一次対応)」は非常に重要です。相談窓口担当者が初動を間違えると、相談者に失望感や不信感を与えて、大きな問題に発展する可能性があります。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談の受付(一次対応)」の流れの各項目については、改めてコラムでお伝えしてまいります。
4. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談に対する適切な対応 」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談に対する適切な対応 」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が、相談の内容や状況に応じて適切に対応できるようにすることが重要です。対応のポイントは以下の通りです。
- 被害を受けた労働者が委縮して相談を躊躇する例もあること等をふまえる。
- 相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮する。
- パワハラが現実に生じている場合だけでなく、発生のおそれがある場合やパワハラに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応する。
このように、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者は、状況に応じた臨機応変な対応が求められてきます。次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口で適切な対応をするための取組例をみてみましょう。
5. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「適切な相談の取組例」とは<
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が相談者へ適切な対応ができるような取組例を紹介します。
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門(ほか担当部門)とが連携を図ることができる仕組みとすること。
- 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応すること。
- 相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての相談窓口専用の研修を行うこと。
パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口の担当者は、兼任の場合が多く、常に相談を受けられる体制ではないことも事実です。パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口は予告なしにパワハラの相談を受けることも多いため、手順や留意事項を記載したマニュアルの整備づくりが適切な相談対応では非常に重要となります。
次に、パワーハラスメント(パワハラ)の相談窓口の相談対応へのポイントについて詳しく解説します。
6. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応へのポイント」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者が、相談者への適切な対応をするためのポイントは以下の通りです。
- 相談者の話しに真摯に耳を傾け、相談者の意向などを的確に把握する。特にパワーハラスメント(パワハラ)を受けた心理的影響から理路整然と話すことができない場合があるので、忍耐強く聴くように努める。
- 相談を受ける場所や時間帯等も、相談者が安心して相談できる環境を整えること。
- 相談者に事務的な一律な対応をするのではなく、相談者の性格や受けているパワハラの態様により、状況を注意深く見守る程度から、上司、同僚などを通じ行為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すものなど事案に即した対応をすること。
- 公正な立場に立って、真摯に対応すること。相談を受けて終わりではなく、組織としてどのように判断し、どのように対応していくのか等を相談者へフィードバック(お伝え)すること。
- 二次被害(相談者が相談窓口の担当者の言動等によってさらに被害を受けること等)を防止するための対応を心掛けること。
- 相談担当者が安定して相談を受けられるように相談窓口専用の研修を受けること。
- 相談事項を放置せず、初期の段階で迅速な対応をすること。
- 対応に時間を要する場合は、その状況や対応に必要な期間等を相談者に必ず伝えること。
7. まとめ
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の一次対応が、パワハラ問題の今後の行方を左右するといっても過言ではありません。相談窓口担当者は兼任の人が多いことから、他の業務に忙殺されている時などタイミングによっては、相談を受ける準備ができていなこともあります。
相談する人が安心して相談できる相談窓口にするためにも、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の運用にはより一層注意を払うことが重要となります。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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