Column – 28
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ相談窓口「チェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」について理解を深めてきました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構え」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」
- パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の流れを周知」とは
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、厚生労働省のパワハラ防止指針に示している事業主が雇用管理上講ずべき措置として、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」をするために、「相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知する」ことが義務付けられています。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口は、働く全ての人が相談しやすいような相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できる仕組みを作ることが大切です。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」について、厚生労働省の「パワーハラスメント 社内相談窓口の設置と運用のポイント」を参考にして学んでみましょう。
2. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の大まかな流れ」について復習してみましょう。
- 相談窓口(一次対応)
- 事実関係の確認
- 行為者・相談者への措置検討
- 行為者・相談者へのフォロー
- 再発防止策検討
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談対応の大まかな流れ」は、このように段階を追って進めていきますが、一次対応としての機能を果たす「相談窓口」の役割は非常に重要です。
3. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構」とは
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談窓口担当者の心構え」について復習をしてみましょう。
職場においてパワーハラスメント(パワハラ)と思われる言動により被害を受けた人が相談する場所の1つが、組織内に設置されたパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口です。ただし、相談窓口を設置しても、実際に組織で働く人からすぐに相談が寄せられない場合があります。
組織内で働く人にとっては、パワーハラスメント(パワハラ)について相談することは、ハードルが高いため、以前のコラムでもお伝えしたようにパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談しやすくするための工夫が必要です。
被害を受けた人は、相談するまでに長い時間悩み、意を決してパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に連絡することもあります。そのため、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられたパワハラに関する相談の一次対応が、今後の行方を左右するといっても過言ではありません。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談の今後の行方を左右する要因の1つが、「相談窓口担当者」です。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者の対応が相談窓口の重要な役割を果たしますので、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」について改めて振り返ってみましょう。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」とは以下の通りです。
- 相談者にとってパワーハラスメント(パワハラ)の問題を相談するのはハードルが高いことを理解する。
- 1回の相談は50分を限度にする(面談の初めに相談者に伝える)。50分を超える場合は、別の日に面談を設ける。
- 相談者のプライバシーを守ること、相談によって社内で不利益な取扱いを受けないことを面談前に説明する。
- 中立的な立場で相談を受けるようにして、相談者の心情に配慮しながら、相談しやすい対応を心がける。
- 自分の価値観や偏見を持つことは厳禁であることを理解する。
- 相談者が主張する事実を正確に把握することが目的であり、意見を言うことは控えること。
- 相談者の気持ちを考え、言葉や態度で傷つけないように配慮すること。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」のポイントは、前述した通りですが、この心構えは一朝一夜にして理解し実践につなげることができるほど容易なことではありません。また、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「相談窓口担当者の心構え」は継続して学び、日々スキルアップすることが重要です。
特に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談対応を専属にしているわけではなく、他の仕事と兼務しているパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者は、定期的にスキルアップできるよう計画的にパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者専用の研修の実施をしてください。
では、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」について復習してみましょう。
4. パワハラ相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは
以前のコラムでも説明しましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口担当者のスキルアップ」とは、相談窓口として必要な知識とスキルを身につけ、常日頃からスキルアップを図ることです。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者に対しても、まずは、他の従業員と同様にパワーハラスメント(パワハラ)についての研修を行い、パワーハラスメント(パワハラ)の定義やその具体的な事例について理解することが重要です。その上で、次に説明する「相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」を活用し、相談窓口担当者に、対応の流れや対応の心構えなどを説明してください。
また、例えば、パワーハラスメント(パワハラ)とセクシュアルハラスメント(セクハラ)が同時に発生する場合や、一見パワーハラスメント(パワハラ)と考えられる事案にセクシュアルハラスメント(セクハラ)としての要素が含まれていることなどもあることから、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者は自分のパワーハラスメント(パワハラ)のイメージにとらわれないようにすることが大切です。
そして、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者が人事異動などにより交代する場合は、引き継ぎ(相談対応の状況や留意点)を行うようにしてください。加えて、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者が、パワーハラスメント(パワハラ)、メンタルヘルス、人権問題、コンプライアンス、ダイバーシティ等の理解やカウンセリングマインドが醸成できるようにするとより望ましいスキルアップになります。
では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口担当者向け「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」について詳しくみてまいりましょう。
5. パワハラ相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」とは、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談担当者が相談担当する際の注意点や心構えが書かれているリストです。
「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」に書かれている項目は以下の通りです。
- 相談者のプライバシーが確保できる部屋を準備する
- 相談者が冷静に話ができるように心がける
- 相談内容の秘密が守られることを説明する
- 相談対応の全体の流れを説明する
- 相談者の話をゆっくり、最後まで傾聴する
- 事実関係を整理し、相談者とともに確認する
- 人事担当部署などに相談内容を伝え、事実関係を確認することや対応案を検討することについて同意を得ること
- 相談者から「死にたい」などと自殺を暗示する言動があった場合には、産業医などの医療専門家等へすみやかに相談する
パワーハラスメント(パワハラ)に関する相談対応をする時は、このチェックリストを参考にして準備をすることで、誰が対応しても安定した相談対応ができるようになります。
では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」の各項目について詳しくみてまいりましょう。
6. パワハラ相談窓口「チェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「パワハラ相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト:相談対応の全体の流れの説明」
今回のコラムでは、「パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口(一次対応)担当者のためのチェックリスト」に書かれている項目の内、「相談対応の全体の流れを説明する」について詳しく学んでいきましょう。
4. 相談対応の全体の流れを説明する
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談対応の全体の流れが相談者にも分かるように説明することが大切です。相談することによる今後の流れが理解できると、相談者も安心して相談できるようになります。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談員は、以下を参考にして相談者へ説明してください。
- 「相談内容は記録しパワーハラスメント(パワハラ)対策委員会(担当部長)に報告しますが、それ以外の第三者に伝える場合には、情報を伝える必要性を説明し、どのような情報を誰に伝えるかをお伝えし、了解を得られてから第三者に伝えます。また、了解を得た上で調査をする際、調査に時間を要する場合がありますが、必ず途中経過を含め報告します。ただし、パワーハラスメント(パワハラ)行為が継続する場合や身に危険を感じる場合は、躊躇せずに連絡をしてください。」
パワーハラスメント(パワハラ)の加害者(行為者)、第三者へのヒアリングは想像以上に時間がかかるものです。意を決して相談する相談者も多いことから、相談した後のことがとても気がかりになります。相談者が安心して相談ができるように、特に調査に時間がかかる場合は、途中経過を相談者へ報告することを忘れないでください。
7. パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の流れを周知」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の流れを周知」とは
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談する場合の「相談対応の流れ」について組織で働く人全員が理解できるように周知することが必要です。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の担当者だけが相談対応の流れを知っているだけでは、安心して相談できるパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の運用はできません。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談すると、どのような対応になるのか相談する前に知ることで、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に相談するハードルも低くなります。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「相談対応の流れを周知」で伝えることは以下の通りです。
- 相談窓口担当者の役割/立場の説明をする
- 相談者が話を聴いてもらうことだけを希望する場合は、調査はしないことを伝える
- 相談者が調査を希望する場合は相談以後の流れを説明する(以下流れ)
- 相談者が希望する範囲でヒアリングをすることを説明する
- ヒアリングをした上で事実認定をするかしないかの判断をすることを説明する
- ヒアリングをした上でパワーハラスメント(パワハラ)認定をするかしないかの判断をすることを説明する
- 判定後の対応、再発防止策を講ずる旨を説明する
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の対応の一連の流れを周知することで、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の役割も明確になり、組織で働く人の理解も深まります。
特に、パワーハラスメント行為者(加害者)や第三者への事情聴取(ヒアリング)を行う場合は、ある一定程度の時間を要するため、その間の被害者の心理状態に配慮することが重要です。被害者が、事情聴取(ヒアリング)の進展状況を把握できるよう、今後の流れを説明し、事情聴取(ヒアリング)の途中経過を含め、どのような状況であるかを必要に応じて報告することが求められてきます。
8. まとめ
今回は、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口「(一次対応)担当者のためのチェックリスト」および、リストの中の項目である「相談対応の全体の流れを説明する」について学んできました。
パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口を設置しただけでは、パワーハラスメント(パワハラ)の被害を受けている人が安心して相談できる相談窓口の運用はできません。パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口に寄せられた相談の行く末を決めるのは、第一次対応をする相談窓口担当者の初動対応次第とも言われています。
ただし、パワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者の力量に任せるのではなく、誰が対応しても安定して相談を受けられるような仕組みづくりが大切です。相談を受ける時は「パワハラ相談記録票」を使用したり、今回のコラムで学んだ「(一次対応)担当者のためのチェックリスト」を含むマニュアルの整備やパワーハラスメント(パワハラ)相談窓口の相談窓口担当者専用の研修を受講させるなど、相談窓口の担当者も安心して相談を受けられるように取り組んでください。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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