Column – 61
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ加害者・パワハラ行為者のパワハラ行為の再発防止対策とは

組織内でパワハラ事案が発生した時には、人事労務担当者はいろいろな対応をすることが求められてきます。まずは、通報されたパワハラに該当すると思われる言動について、パワハラ被害者、パワハラ加害者・パワハラ行為者、そして第三者からのヒアリング等、様々な工程を経て、パワハラ加害者・パワハラ行為者に対する再発防止策を講じる必要があります。今日は「パワハラ加害者・パワハラ行為者のパワハラ行為の再発防止対策とは 」について考えてまいりましょう。
【目次】
1. パワハラ事案が明らかになる経緯とは
■ パワハラ事案が明らかになる経緯とは
日常業務の中では色々な事が起こります。その中で、職場内での優位性を背景に行われる言動について、精神的攻撃を受けるか、身体的攻撃を受けたことにより、働く職場が不快となり、そのことで、被害を受けた人の能力が適切に発揮できなくなる、というように労働者の職場環境が害され、なおかつ「平均的な労働者の感じ方」だと認められた時にパワハラが生まれます。ただ、気を付けなければならないのは、被害者側の問題点、それに至るまでの経緯や人間関係性など、様々な要素を総合的に考慮して判断しなければならない、ということです。
つまり、パワハラに該当するような言動を受けた人が「パワハラです!」と自らの立場だけ一方的に主張しただけでは、パワハラにはならないということです。また、総合的に考慮した判断をするためには、パワハラ被害者とパワハラ加害者に対する客観的な事実を得るための第三者からのヒアリングを実施したり、パワハラ加害者やパワハラ行為者からのヒアリングを実施することが重要となります。
更に、社内の人だけではなく、弁護士や社会保険労務士などを交えた独立した第三者委員会を設置して、過去の事例や就業規則と照らし合わせて、通報された事案がパワハラの境界線を越えるか超えていないかを最終的に判断していきます。その結果、パワハラだと認められた時には、懲戒処分や、再発防止策について検討されることになります。
では、次に「パワハラ加害者・パワハラ行為者への懲戒処分とは」、について考えてまいりましょう。
2. パワハラ加害者・パワハラ行為者への懲戒処分とは
■ パワハラ加害者・パワハラ行為者への懲戒処分とは
パワハラ被害者が職場での優位性を背景に行われた言動によりパワハラ被害者の能力が適切に発揮できなくなるような言動を行った人に対しては、就業規則やパワーハラスメント防止規定に基づいて、何かしらの懲戒処分が下されます。懲戒処分の内容は組織ごとに異なりますが、概ね以下のような内容になります。
戒告(かいこく)、訓告(くんこく): 過失や非行、失態などを注意し、将来を戒めるために文書または口頭で行う処分
減給: 従業員の給与を一定の期間、一定の割合で減額すること
出勤停止: 就業規則などに違反した従業員に対して、一定期間の就業を禁止すること
降格: 従業員の地位や役職をより低いものにする処分。解雇の次に思い処分。
諭旨解雇・諭旨免職: 退職を勧告して解雇すること
懲戒解雇: 従業員に対して組織が労働契約を一方的に解除する処分。懲戒処分の中で最も重く、退職金や不支給や減額を伴うこともある。
以上のように、懲戒処分にはパワハラ行為に応じた段階的な懲戒処分が行われますが、パワハラ加害者やパワハラ行為者を懲戒処分にするには、必ず就業規則に懲戒規定が記されていなければなりません。また、明記しただけでは十分ではなく、パワハラ加害者やパワハラ行為者への懲戒規定について、職場で働く全ての人への周知が労働基準法第106条第1項で義務付けられています。
また、パワハラ加害者やパワハラ行為者への懲戒処分については、パワハラ加害者やパワハラ行為者の言動が懲戒事由に該当する事実として認定されなければなりません。パワハラ行為をしたからといって何でもかんでも懲戒処分の対象にしたり、パワハラ加害者やパワハラ行為者を解雇できるわけではありません。解雇を行う場合は、労働契約法第15条(懲戒)と第16条(解雇)で定められた事実であれば問題ありません。
では、最後に「パワハラ加害者・パワハラ行為者への再発防止対策とは」について学んでまいりましょう。
3. パワハラ加害者・パワハラ行為者への再発防止対策とは
■ パワハラ加害者・パワハラ行為者への再発防止対策とは
パワハラ行為が事実だと認められ、パワハラ加害者とパワハラ行為者へ懲戒処分が行われただけでは、パワハラ問題を解決したことにはなりません。では、パワハラ加害者やパワハラ行為者が再び同じ言動を職場で行わないための防止対策を講じる必要があります。では、パワハラ加害者やパワハラ行為者への再発防止対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
反省と再発防止策が書かれたレポートを提出させる
この方法は、訓告や戒告処分を受けたパワハラ加害者やパワハラ行為者が行っている方法になります。パワハラ被害者を苦しめた自らの言動を振り返り、どこが悪かったのか反省し、そして今後、同じ行為をしないための対策を自らの視点で書いていきます。このレポートのメリットは、自分自身を深く見つめ自分の力で自らに与えられた課題を乗り越えていくことです。一方、デメリットとしては、客観的な視点からの分析や対策がないことで、独りよがりな内容になることです。更に、要因や改善のポイントが問題の本質から外れている場合は、十分な再発防止対策とならないことです。
会社全体の責任としてパワハラ加害者・パワハラ行為者以外の従業員も含めて集合研修を受講させる
この方法は、会社の安全配慮義務の観点から考えると非常に有効な手段であります。誰しもがいつパワハラ加害者やパワハラ行為者になってもおかしくないことから、パワハラ加害者やパワハラ行為者だけの責任にするのではなく、職場全体で防止する意識を高めるためには望ましい方法です。一方、内容が一般的なパワハラ防止策になる傾向があり、パワハラ加害者・パワハラ行為者がパワハラ行為をした要因や必要な対策について、パワハラ加害者・パワハラ行為者が十分に理解できないことがあります。
パワハラ加害者・パワハラ行為者更生カウンセリング研修を受講させる
パワハラ加害者・パワハラ行為者を本気で更生させることを目的とするときは、外部の専門家にパワハラ加害者・パワハラ行為者がマンツーマンで講師に指導を受けられる研修を受講することが有効になります。この方法は、「更生」を目的にしていることから、パワハラ加害者・パワハラ行為者が人として成長できるように講師とマンツーマンで取り組めることが特徴になります。一般社団法人パワーハラスメント防止協会でも、パワハラ加害者(行為者)更生カウンセリング研修を実施していますが、現在までに多くのパワハラ加害者・パワハラ行為者を更生に導いています。当協会のパワハラ加害者(行為者)更生カウンセリング研修は、パワハラ行為だけに着目するのではなく、パワハラ加害者とパワハラ行為者の人生そのものを捉え、パワハラ行為をした要因を探り、二度と同じことが人生で起こらないような対策を講じていきます。パワハラ加害者(行為者)更生カウンセリング研修に参加した受講者は、職場の人間関係だけではなく、家族との関係性も改善されることが多く、パワハラ行為に至るまでとは人生が180度変わることで高い評価を得ています。
以上が、パワハラ加害者・パワハラ行為者がパワハラ行為を二度と行わないための対策の一例となりますが、大切なことは、パワハラ加害者・パワハラ行為者だけの責任にせず、組織全体でパワハラが起こらないような取組をしていくことだと思います。その中で、パワハラ加害者・パワハラ行為者が安心して自分自身の言動を振り返り、パワハラ加害者・パワハラ行為者を含め関わる全ての人たちが幸せになれるような生き方を選択できるようになることが本当の意味での「更生」になります。
4. まとめ
■ まとめ
今回は、「パワハラ加害者・パワハラ行為者のパワハラ行為の再発防止対策とは」について考えてまいりました。パワハラ事案が発生すると、どうしてもパワハラ被害者側のケアに傾倒することが多く、パワハラ行為が生まれた「問題の本質」が見失われていることがあります。
パワハラ加害者・パワハラ行為者となった人であっても本気で相手を憎んでいたり、本気で相手を苦しめようとしている人はほとんでいません。パワハラ行為に至った経緯を大切に聴き取りながら、「大切な仲間」として再発防止策に一緒に取組むことが、組織からパワハラを無くすためには大切になります。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワハラ加害者/パワハラ行為者更生カウンセリング研修、パワハラ防止研修をはじめ、パワハラを防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。

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