Column – 18
パワハラ防止研修お役立ちマニュアル
~パワハラ防止研修「講師派遣元業者/社内講師の選定」~
パワーハラスメント(パワハラ)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワーハラスメント(パワハラ)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施 「やることリスト」-「社外講師か社内講師か決定」について一緒に学びました。今回は、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施 「やることリスト」-「講師派遣元業者/社内講師の選定」について見ていきましょう。
【目次】
- パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施「やることリスト」のおさらい
- パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」とは
- パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「講師派遣元業者選定」のポイント
- パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「社内講師選定」のポイント
- まとめ
1. パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施「やることリスト」のおさらい
■ パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施「やることリスト」
以前のコラムでもお伝えしましたが、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施「やることリスト」をおさらいしてみましょう。
◆パワーハラスメント(パワハラ)防止研修実施「やることリスト」
- 担当者の選定
- 研修対象階層の決定
- 研修の内容決定
- 研修の実施方法の決定
- 実施時期の決定
- 会場の選定と予約
- 受講者選定
- 受講者への通知
- 社外講師か社内講師か決定
- 講師派遣元業者を選定(社内講師の場合は講師を選定)
- 外部委託先と契約
- 外部委託先と研修内容の打ち合わせ
- 研修資料の受け渡し
- 受講者へのリマインド
- 当日の準備
2. パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」とは
■ パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」とは
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」とは、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に登壇する講師を派遣する外部業者、また社内のスタッフが講師として登壇する場合の社内講師の選定をすることです。
以前のコラムでパワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「社外講師か社内講師か決定」について学びましたが、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修を社外に委託するか、社内から講師を人選するかにより対応が異なってきます。
では、先ず、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に登壇する講師の「社外講師」、「社内講師」について復習してまいりましょう。パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に登壇する講師の「社外講師」、「社内講師」は以下の通りです。
- 「社外講師」
外部の研修会社等に委託して登壇する講師を派遣してもらうことです。研修会社の他に、パワハラ専門組織、弁護士事務所、社会労務士事務所等がパワハラ防止研修を実施しています。 - 「社内講師」
社内でパワハラを担当している部署、または研修を担当している部署からパワハラについて詳しい人を講師として選定しパワハラ防止研修に登壇してもらいます。
次に、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修を外部に委託して講師を派遣してもらう際の「講師派遣元業者選定」のポイントについて見ていきましょう。
3. パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「講師派遣元業者選定」のポイント
■ パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「講師派遣元業者選定」のポイント
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の講師を社外から派遣してもらう場合は、講師を派遣する業者を選定する必要があります。以前のコラムでも書きましたが、社外講師が登壇する際にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
では、「社外講師」が登壇して実施する場合のメリットおよびデメリットについて復習してみましょう。
◆メリット◆
- 研修に慣れている
- コンテンツ作成まで依頼ができる
- 研修以外のサービスも受けることができる(オプション含)
- 外部講師から言われたほうが受講者も受け入れやすい
- 受講者を客観的な立場から見ることができる
- 質疑応答に臨機応変に対応できる
◆デメリット◆
- 費用がかかる
- 一般的なコンテンツになる可能性がある
- どこに依頼するか選定に時間がかかる
- 講師の質によって効果が変わる
- 社内の事情を共有することが難しい
このようなメリットおよびデメリットがあるということを認識した上で、講師を派遣してもらう業者を選定することが必要です。では、次にパワーハラスメント(パワハラ)防止研修に登壇する講師を派遣する業者について詳しくみていきましょう。
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の講師派遣を依頼することができる組織は以下の通りです。
- 研修全般を取り扱う研修専門会社
- パワハラ(ハラスメント)専門組織
- 弁護士事務所
- 社会労務士事務所
- その他の各種団体
これらの組織にパワーハラスメント(パワハラ)防止研修の講師派遣を依頼する際のポイントは以下の通りです。
- 受講者にパワーハラスメント(パワハラ)の「何を学んでほしいか」について明確にした上で外部組織の選定をしてください。
- 研修全般を取り扱う研修専門会社へ依頼する場合は、研修の種類が豊富であり、色々なオプションを取り揃えていますので、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修を毎年実施している法人様には「選べる」メリットがあります。また、講師も研修に慣れていますので、効果があるかないか、ということは別として、研修が滞りなく実施されることは間違いありません。ただし、パワーハラスメント(パワハラ)を専門にしているわけではありませんので、受講者からの質疑応答に確実に対応できるかどうかは各講師の力量にかかってきます。
- パワーハラスメント(パワハラ)専門組織に依頼する場合は、パワーハラスメント(パワハラ)防止の観点だけではなく、パワハラ加害者(行為者)およびパワハラ被害者の立場に立った観点からも講義をすることが可能です。また、パワーハラスメント(パワハラ)のグレーゾーンに関する講義も受講者が理解できるように分かりやすく解説することも可能です。さらに、受講者からの質疑応答に対しても事例等を交えながら回答することができるため、受講者の学びがより深くなります。
- 弁護士や社会保険労務士へ依頼する場合は、現行法の観点や判例についての学びが深まる一方、内容が専門的になりすぎるため受講者の理解が深まりにくいことが考えられます。弁護士や社会保険労務士が登壇するパワーハラスメント(パワハラ)防止研修は、役員向けに実施すると役員の意識の向上に役立つ可能性がありますが、それ以外の階層への実施は検討の余地があります。
外部の組織から講師の派遣を依頼する場合は、これらのポイントを参考にして委託する組織を選定してください。また、講師により効果が全く変わりますので、研修に慣れているだけではなく、パワーハラスメント(パワハラ)について熟知している講師を選定することが重要です。さらに大切なのは、一般的な会社で勤務経験があり、尚且つ管理職の経験がある講師を選定することです。
最近は、外部組織に研修を委託するとアンケートを無料で実施するサービス等があります。「無料アンケートの実施」が魅力的に感じられた場合は、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をする「目的は何か」をしっかりと見極め、「アンケートは何のために必要なのか。そしてアンケートをとった後に起こることに組織として責任をとることができるか。さらにアンケートの集計結果を反映したパワハラ防止研修の実施が可能なのか。」という点についても慎重に検討してください。
「無料サービス」という言葉に私たちは弱く、本来必要のないことまで「なんとなく」という理由で取り入れることが多々あります。アンケートは、パワーハラスメント(パワハラ)を面白おかしく無責任に書く場所になることもあり、本来パワーハラスメント(パワハラ)ではないことまでもパワーハラスメント(パワハラ)として取り扱い、出口が見えない組織の大きな問題に発展する可能性もあります。
では、次に、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に社内講師が登壇する場合の「社内講師選定」のポイントについてみていきましょう。
4. パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「社内講師選定」のポイント
■ パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「社内講師選定」のポイント
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に社内の講師が登壇する場合は、社内から講師を選定する必要があります。以前のコラムでも書きましたが、社内講師が登壇する際にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
では、「社内講師」が登壇して実施する場合のメリットおよびデメリットについて復習してみましょう。
◆メリット◆
- 費用が安い
- 組織内の事情を把握している
- 講師と受講者の距離が近い
- 予定を調整しやすい
- 受講者の立場で講義することが可能
◆デメリット◆
- 研修に慣れていない
- 講師と受講者の距離が近すぎる
- 社内講師から言われても受講者の心に響きにくい
- コンテンツが一般的な内容になる可能性がある
- 質疑応答に対応できない可能性がある
このように、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に社内講師が登壇する場合のメリット・デメリットがありますが、どのような人物を社内講師として選定すればよいのでしょうか。
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修に登壇する社内講師は以下のポイントを参考にして選定してください。
- 完璧を求めない人
- 臨機応変に対応できる人
- パワーハラスメント(パワハラ)について熟知している人
- 複数のことを同時進行できる人
- 自分のことを客観的に見られる人
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修だけではなく、他の研修も含めて、研修は何が起こるか分かりません。講師が完璧に事前準備をしたと“思って”いても、現場では想定しなことが多々起こります。
特に、途中で受講者から突然の質問等があった場合は、講師本人が予定していたタイムスケジュールから変更を余儀なくされることもあります。このような状況下でも落ち着いて「今できること」に集中し、「できる限りのことをやる」という精神で対応できる人が研修講師には向いています。
また、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修は、自分が話すだけではなく、受講者の様子や反応、そして環境等、色々と確認しながら進行することが求められてきます。このような状況にいる自分を俯瞰しながら、独りよがりにならないような研修をすることができれば、受講者も安心して研修を受けることができます。
では、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修「社内講師」に向いていない人はどのような人でしょうか。それは、上で述べた「社内講師に向いている人」と逆の人をイメージしてください。
つまり、「完璧を求める人」、「臨機応変に対応できない人」、「パワーハラスメント(パワハラ)について熟知していない人」、「複数のことを同時進行できない人」、「自分のことを客観的に見られない人」です。
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修だけではなく、他の研修も含め、実際に研修の講師をすると理解できますが、想像している以上に難しい役回りとなりますので、社内講師を選定する時は慎重に行ってください。
5. まとめ
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」について学んできました。パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の「講師派遣元業者/社内講師を選定」は、研修結果を左右する重要な作業になります。それぞれのメリットとデメリット、また「何を目的に研修を実施するか」を明確にした上で、業者選定や社内講師選定をすることが必要となります。
パワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実施は、パワーハラスメント(パワハラ)防止対策の要です。組織の状況に適した、また課題を解決することができるパワーハラスメント(パワハラ)防止研修の実現をするためには、「社内講師か社外講師にするのか」、「社外講師が登壇する場合は、どこに依頼をするのか」、「社内の人が講師をする場合は、誰が担当するか」、等を慎重に検討することが重要となります。
最後に
パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。
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