パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度

Column – 24
パワハラ防止研修お役立ちマニュアル
~パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度~

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パワハラ(パワーハラスメント)、パワハラ加害者(行為者)という言葉を聞かない日はありません。パワハラ(パワーハラスメント)という言葉は2001年に日本で作られた造語ですが、「パワハラ(パワーハラスメント)とは何か」正しい理解をしている人は世の中にどれくらいいるのでしょうか。さて、前回は、「パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する意義」ついて一緒に学びました。今回は、「パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度」について見てまいりましょう。

【目次】

  1. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の位置付け
  2. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度とは
  3. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するメリット・デメリット
  4. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないメリット・デメリット
  5. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する望ましい頻度
  6. まとめ

 1. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の位置付け


■ パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の位置付け

職場で、パワハラ(パワーハラスメント)を防止するための対策として講じられているのが、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修です。2022年4月までに日本全国にある全ての事業主対してパワハラを防止するための対策を講じることが義務付けられましたので、今までパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施していなかった組織でも、初めてパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施しています。


ただし、以前のコラムでも書きましたが、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施は「義務」ではありません。あくまでも、パワハラ(パワーハラスメント)の防止対策の1つとして、取組むことが望ましいとされています。


パワハラ(パワーハラスメント)を防止するための対策として、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修以外では、「ポスターの掲示」、「社内システムでの啓蒙」、「パワハラに関する冊子の配布」、「パワハラに関する勉強会」等、さまざまな取組があります。このような対策を講ずれば必ずパワハラ(パワーハラスメント)が防げるか、というと必ずしもそうではないのですが、働く人がパワハラ(パワーハラスメント)に関する意識を高めるためには重要な取組となります。


パワハラ(パワーハラスメント)を防止するための対策として「ポスターの掲示」や「パワハラに関する冊子の配布」は、1回の対応で完了し、後は働く人たちにポスターや冊子を見るか、見ないか、を委ねることができますが、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施の頻度はどれくらいが望ましいのか悩んでいる担当者の人も多くいます。


では、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度について学んでいきましょう。


 2. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度とは


■ パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度とは

パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度とは、組織でパワハラ(パワーハラスメント)を防止するために講ずるパワハラ(パワーハラスメント)に関する研修を実施する回数を決めることです。パワハラ(パワーハラスメント)に関する研修を実施する回数とは、どれくらいの期間に何回くらい実施するか、ということです。


パワハラ防止法が施行される前からパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施している組織では、何かしらの形式で毎年実施していることもありますが、パワハラ防止法の適用が2022年4月から対象となった中小企業では、施行後に初めて実施する場合や、施行されても実施されていない組織など様々です。


パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施と一言でいっても、実施形態や受講する階層、研修のコンテンツなど、担当者が考えなければならないことは非常に多くあります。以前のコラムでもパワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施のための「やることリスト」について書いていますので参考にしてみてください。


パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施のための「やることリスト」でも分かるように、実施するとなると計画的に進めることが必要となりますので、ある一定程度の期間を準備に充てられるように調整していかなくてはなりません。そのため、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施頻度を予め定めた上で計画することが望ましくなります。


では、次にパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのメリット・デメリットについてみていきましょう。


 3. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するメリット・デメリット


■ パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するメリット・デメリット

パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するメリット・デメリットを考える前に、以前のコラムでも書いたパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する意義から復習してまいりましょう。


パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する意義は以下の通りです。


  • パワハラ(パワーハラスメント)について正しい知識を周知できる


  • 働く人全員がパワハラ(パワーハラスメント)について共通した認識を持てる


  • パワハラ(パワーハラスメント)について意識を高めることができる


  • 自らの言動を振り返るきっかけとなる


  • パワハラ(パワーハラスメント)被害を受けた人が相談しやすくなる


  • 働く人同士のコミュニケーションが活発になる


  • パワハラ(パワーハラスメント)を防止することができる



このように、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施することの意義は多くあることが分かります。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修の実施は努力義務ではあるものの、パワハラ(パワーハラスメント)を組織で防止するためには必須の取組です。


では、このように実施することに多くのメリットがあるパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのデメリットからみてまいりましょう。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのデメリットは以下の通りです。


  • コストがかかる(外部講師の場合)


  • 計画を立てるのが面倒


  • 効果的な研修コンテンツを考えるのが難しい


  • 社員の予定を調整するのが大変


  • 効果があるのか実施するまで分からない



パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するデメリットで気になる点は、一番最後に記述している「効果があるのか実施するまで分からない」だと思います。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施したからといって必ずしもパワハラ(パワーハラスメント)を防止できるという保証はありません。


では、次にパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのメリットについてみてまいりましょう。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのメリットは以下の通りです。


  • パワハラ(パワーハラスメント)について最新の知識を周知できる


  • 新人や途中入社の人を含め働く人全員がパワハラ(パワーハラスメント)について共通した認識を持てる


  • 改めて学ぶことでパワハラ(パワーハラスメント)について意識を高めることができる


  • 1年経つと受講生の環境も変わる場合もあることから自らの言動を振り返るきっかけとなる


  • パワハラ(パワーハラスメント)被害を受けた人が躊躇なく相談することができるようになる


  • 研修で一同に会することにより働く人同士のコミュニケーションが活発になる


  • パワハラ(パワーハラスメント)を防止する可能性が高まる



パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのメリットは非常に多くなります。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのデメリットに目を向けることよりもメリットを理解することにより、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することの効果を実感できるようになるのではないでしょうか。


では、次に、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないことによる、メリット・デメリットについて学んでいきましょう。


 4. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないメリット・デメリット


■ パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないメリット・デメリット

パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施するメリット・デメリットについて先述してきましたが、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないメリット・デメリットについても考えてまいりましょう。


そもそも、パワハラ(パワーハラスメント)が組織に与える影響とはどのようなことだったのか復習したいと思います。パワハラ(パワーハラスメント)が組織に与える影響は以下の通りです。


  • 損害賠償請求が起こる


  • 人材が流出する


  • マスコミ報道がされる


  • 信頼が損失する


  • 新規人材の雇用が難しくなる


  • 職場の雰囲気が悪化する


  • 従業員の士気の低下


  • 取引が打ち切られる




パワハラ(パワーハラスメント)が組織に与える影響は非常に深刻だということが分かりましたが、パワハラ(パワーハラスメント)が組織で働く人に対する影響とはどのようなことか復習してみましょう。


職場でパワハラ(パワーハラスメント)が起きた場合は、職場で働く全ての人々に与える影響は非常に深刻になります。職場とは、仕事をする場所だけではなく、移動中やリモートワークをする場所、仕事の後の飲食の場など、仕事の人間関係が継続する場所が全て含まれてきます。


仕事をする場所は、睡眠以外に私たちが人生の中で多くの時間を過ごす場所です。また、生きてきた過程や育った環境などが全く異なる人々との人間関係を構築する場所である職場で、パワハラ(パワーハラスメント)を受けることにより、人格や尊厳を傷つけられたり、仕事への意欲や自身を無くしたりします。


さらに、パワハラ(パワーハラスメント)を受けることで、精神的なダメージを受け、休職や退職に追い込まれたり、最悪の場合は自らの命を絶つこともあります。そして、周囲の人たちも仕事への意欲が低下し、職場全体の生産性にも悪影響を及ぼします。


また、パワハラ(パワーハラスメント)は被害を受けた人だけではなく、パワハラ(パワーハラスメント)を行った人への影響も大きくなります。職場での評価や信用が低下するだけではなく、懲戒処分や訴訟のリスクを抱えることにもなります。


先述したようなパワハラ(パワーハラスメント)が組織と働く人に与える深刻な影響について理解した上で、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないデメリットについて考えていきましょう。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないデメリットは以下の通りです。


  • パワハラ(パワーハラスメント)について最新の知識を周知できない


  • 新人や途中入社の人を含め働く人全員がパワハラ(パワーハラスメント)について共通した認識を持てない


  • 学ぶ機会が限定されることでパワハラ(パワーハラスメント)について意識を高めることができない


  • 1年経つと受講生の環境も変わる場合もあるが自らの言動を振り返るきっかけが限られる


  • パワハラ(パワーハラスメント)被害を受けた人が躊躇なく相談することができなくなる


  • 研修で一同に会する機会が限られるため、働く人同士のコミュニケーションが減る


  • パワハラ(パワーハラスメント)を防止する可能性が低くなる



パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないことのデメリットは考える以上に多くなります。では、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないことのメリットについて学んでいきましょう。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないことのメリットは以下の通りです。


  • コストがかからない(外部講師の場合)


  • 計画を立てる機会が減る


  • 効果的な研修コンテンツを毎年考える必要がない


  • 社員の予定を調整する頻度が減る


  • 受講生の仕事を中断させる機会が減る



このように、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施しないことによるメリットは、受講生側ではなく、担当者に対することが多くなります。


 5. パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する望ましい頻度


■ パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する望ましい頻度

パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することのメリット・デメリット、および毎年実施しないことのメリット・デメリットについて学んできました。

パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施する、しないのメリット・デメリットは各々あるものの、総合的に考えた場合は、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施することによる職場でのパワハラ(パワーハラスメント)を防止する効果は高まるのではないでしょうか。


頭ではパワハラ(パワーハラスメント)とは何かをなんとなく理解していたとしても、時間が経つにつれ人間の記憶は薄れていくものです。また、働く人の状況や働く職場の環境も日々変化していますので、同じ働く組織の人同士がパワハラ(パワーハラスメント)に関して意識の統一を図る機会を1年に1度設けることが望ましいと思います。



 6. まとめ

今日は、「パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度」について学んできました。パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施することは義務ではなく、あくまでも努力義務ではあるものの、組織でパワハラ(パワーハラスメント)を防止するための対策としては重要な位置づけであることから考えた時には、可能な限り1年に一度は実施することが望ましいと思います。


ただ、目的がはっきりしないまま、ただなんとなくパワハラ(パワーハラスメント)防止研修を毎年実施する、という感覚であれば、組織におけるパワハラ(パワーハラスメント)を防止する観点からの有効性は低くなります。働く人々の時間や組織のコストを無駄なものにしないためにも、組織の現状を把握し、分析し、そして何を学ぶことでパワハラ(パワーハラスメント)の発生を防ぐことができるか考えた上で、パワハラ(パワーハラスメント)防止研修を実施する頻度を決めてください。



 最後に

パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。


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