パワハラ裁判例~CCメール名誉棄損行為は慰謝料5万円~

パワハラ裁判例~CCメール名誉棄損行為は慰謝料5万円~

パワハラ裁判例~CCメール名誉棄損行為は慰謝料5万円~

  • 判例のポイント
    • CCメールによる名誉棄損行為のパワハラの事案(精神的攻撃)で、行為者に対し、慰謝料5万円の支払いを命じた判例。 


  • 行為者(加害者): D(サービスセンター所長)

  • 受け手(被害者): V(総合職として入社し、入社約24年で希望により給与が2/3になるエリア総合職に転換して、サービスセンターの1ユニットで課長代理として保険支払事務に従事)

  • 勤務先: 損害保険会社


  • 背景等
    • 上司のD所長は、Vには業務に対する熱意が感じられず、エリア総合職の課長代理という立場であるにもかかわらず、実績を挙げないことが、他の従業員の不満の原因になっていると考えていた。 

    • Vの上司であるユニットリーダーFは、サービスセンター(SC)のVを含むユニット従業員と上司であるD所長にあてて、「V課長代理もっと出力を」と題し、「現在、DOキャリーアウト(※未払い保険事故件数の削減を目的とした取組み)のまっただ中ですが、V課長代理全くの出力不足です。・・・支払合計件数1件で、叱咤激励しましたが、本日現在搭乗10件・人傷0件と、所長代理として全く出力不足といわざるを得ません。ペンディングも増える一方です。本日中に、全件洗い替えをして下記Fへ報告のこと。全件の経過管理(どうなっているのか)をして、どれが払えてどれが何故持ち越すのかを、記入のこと。」という趣旨の記載をした電子メールを送信した。 


  • D所長の言動
  • Vへの指導を行うとともに、上記メールの内容を支持することを表明する必要があると判断し、上記メールに返信して、電子メールをVよびFリーダーを含む同じユニットの従業員十数名に送信した。次の記載は、Fリーダーを含む同じユニットの従業員十数名に送信した。次の記載は、赤文字で、ポイントの大きな文字であった。


    1. 意欲がない、やる気がないなら、会社を辞めるべきだと思います。当SCにとっても、会社にとっても損失そのものです。あなたの給料で業務職が何人雇えると思いますか。あなたの仕事なら業務職でも数倍の業績を挙げますよ。本日現在、搭乗10件処理。Cさんは17件。業務審査といい、これ以上、当SCに迷惑をかけないで下さい。 

    2. 未だに始末書と「~~病院」出向の報告(私病?調査?)がありませんが、業務命令を無視したり、業務時間中に勝手に業務から離れるとどうゆうことになるか承知していますね。 

    3. 本日、半休を取ることを何故ユニット全員に事前に伝えないのですか。必ず伝えるように言ったはずです。我々の仕事は、チームで回っているんですよ。 


  • Vによる提訴
    • Vは、D所長に対して、不法行為による損害賠償100万円を請求して、提訴した。


  • 判決の概要
    • 原審(東京地裁平16.12.1)は請求を棄却していたが、東京高裁は、D所長に慰謝料5万円の支払いを命じた。


  • 判決の理由
    • 「本件メールの内容は、職場の上司であるD所長がエリア総合職で課長代理の地位にあるVに対し、その地位に見合った処理件数に到達するよう叱咤督促する趣旨であることがうかがえないわけではなく、その目的は是認することができる。  

    • しかし、「本件メールの中には、『やる気がないなら、会社を辞めるべきだと思います。当SCにとっても、会社にとっても損失そのものです。』という、退職勧告とも、会社にとって不必要な人間であるとも受け取られるおそれのある表現が盛り込まれており、これがV本人のみならず同じ職場の従業員十数名にも送信されている」ところ、その表現においては「『あなたの給料で業務職が何人雇えると思いますか。あなたの仕事なら業務職でも数倍の実績を挙げますよ。・・・・これ以上、当SCに迷惑をかけないで下さい。』という、それ自体は正鵠を得ている面がないではないにしても、人の気持ちを逆なでする侮辱的言辞と受け取られても仕方のない記載などの他の部分ともあいまって、Vの名誉感情をいたずらに毀損するものであることは明らかであり、上記送信目的が正当であったとしても、その表現において許容限度を超え、著しく相当性を欠くものであって、Vに対する不法行為を構成するというべきである。  

    • 本件メール送信の目的、表現方法、送信範囲等を総合すると、D所長の本件不法行為(名誉毀損行為)によるVの精神的苦痛を慰謝するための金額としては、5万円をもってすることが相当である。



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