パワハラ裁判例~被害者のパワハラ主張を否定した判例~
パワハラ裁判例~被害者のパワハラ主張を否定した判例~
パワハラ裁判例~被害者のパワハラ主張を否定した判例~
- 判例のポイント
- 受け手(被害者)によるパワハラの主張が否定された事例(請求棄却)
- 自己評価に固執し自己中心的な主張をする従業員対応の難しさがうかがえる事例
- 行為者(加害者): C(食品事業部テクニカルマネージャー)、D(食品事業部長)、E(人事部長)
- 受け手(被害者): V(食品関連規格の審査員職)
- 行為等
- Vが入社約2年で不眠症状を訴え、うつ病を発症し、休職申請して休職した。
- Vの休職にあたり、Cマネ・D部長・E部長がVと面談し、書面(Vの問題点・改善点として、報告・連絡・相談について説明しても観点の差があり、Vの意図が他の社員に伝わらないことが多々見られ、Vは会社・上司からの要求をパワハラ・いじめと解釈しているが、他の社員に確認してもVを擁護する社員がいない等)をVに交付した。
- D部長・E部長は、Vに対し、十分に休養を取るよう指示しつつ、Vと面談を重ねた結果、復帰にあたっての条件については、復帰後すぐに元の審査員職にすることは考えておらず、1~3か月は内勤職として勤務し、問題がなければ審査員職に復帰することを考えている旨を伝えた。
- Vは、審査員としての能力を顧客からも評価されていると考えており、D部長・E部長の復帰の方針に関する連絡を受けると、体調悪化を理由に復帰時期を確定できないとして休職を続け、過去のメールの返信を受けていない等の理由で復帰にあたっての面談を拒絶するなどした(E部長は過去のメールのプリントアウトは郵送している)。
- 会社は、休職1年後に、労務提供ができる程度に回復しているとは認められないとして、休職期間満了通知書を送付し、自然退職を通知した。
- Vによる提訴
- Vは、休職期間満了による退職が無効であるとして地位確認・未払賃金請求(約680万円)、時間外割増賃金請求(約900万円)とともに、Dによるパワハラによる損害賠償(慰謝料300万円+弁護士報酬30万円)を請求して訴訟提起した。
- Vの主張
- Vは入社すぐにCマネからパワハラを受けるようになった(法の解釈適用の見解を異にし論争した、Vは審査対象会社を審査不適合と判断していたにもかかわらずCマネがその判断を採用しなかった、無意味な業務を創出してVに担当させた、Vの担当でないトレーニングを命じた等)。
- 入社1年半ころには持帰り残業等の過大な業務の遂行を強いられた。
- D部長・E部長がVの復職を妨害した。
- 会社の反訴
- 会社も、休職中の社会保険料のV負担分の立替払分の支払請求(約65万円)の反訴を提起した。
- 判決の概要
- 休職期間満了による退職は有効であり、Vによる地位確認・未払賃金請求は棄却
- 未払いの割増賃金約18万円の請求を認容
- 会社の立替払分の支払請求を認容
東京地裁は、次の通り判決した。
- 判決の理由
- Vの主張は、認めるに足りないか、Vの主張通りであったとしてもパワハラや嫌がらせと評価できないものである。
- 持帰り残業を必要とするほどの業務量であったとはいえず、会社による持帰り残業の支持も認め難い(持帰り残業することがあったとしても、時間外手当請求の前提となる労働時間として認められるものではない)。
- D部長・E部長の対応は誠実であり、復職にあたっての条件についての判断は客観的にみて合理的なのに対し、Vは自己評価に固執し、自己中心的な主張をしており、D部長・E部長がVの意図に沿った行動をしなかったからといって復職妨害行為になるわけではない。

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