パワハラ裁判例~悪質ないじめへの損害賠償請求の認容~
パワハラ裁判例~悪質ないじめへの損害賠償請求の認容~
パワハラ裁判例~悪質ないじめへの損害賠償請求の認容~
- 判例のポイント
- 職場ぐるみの極めて悪質な「いじめ」に対する慰謝料等110万円の損害賠償請求を認めた判例
- 残業代請求もなされ、認容されている。
- 行為者(加害者): A社長
- 受け手(被害者): B社員
- 行為等
- B社員が配送の帰路に温泉に立ち寄ったため帰社が遅れた。これに腹を立てたA社長がBの頭頂部と前髪を刈って落ち武者風の髪型にした上、洗車用スポンジでBの頭部を洗髪し、最終的に丸刈りにした。さらに、他の従業員がBを下着姿にして洗車用の高圧洗浄機を至近距離から噴射し、洗車用ブラシで身体を洗い、A社長は制止しなかった。
- A社長は、Bに対し、下着一枚になって裏の川に入るように命じ、他の従業員に対し、当てたら賞金を与えるとしてBに向けてロケット花火を発射するように命じて発射させ、逃げ出したBに対して石を投げさせた。
- 1回目の失踪: Bは点呼後に運送業務に従事せず失踪したが、約1週間後に戻って勤務を再開した。Bは、失踪後会社に戻った際、復帰を認めてもらおうと、常務の指示に従って社屋入口前で数時間土下座した。A社長は一瞥するも放置した。
- A社長名義のブログに、作成管理者Gが、上記経緯の記載や写真を掲載した。その内容は、Bが同僚の従業員からいじめ行為を受けたり土下座している写真や、「ホラ吉」「葉山小亀先」といった侮辱するような表現が含まれていたが、ブログを確認したA社長は、Gに対して掲載を止めるよう求めなかった。
- 2回目の失踪: Bは運送業務後に失踪し、翌日から業務に従事しなかった。
- また、Bのトラック運転業務について発生する時間外労働の割増賃金が支払われていなかった。
- B社員による提訴
Bは、会社に対し割増賃金等約900万円の未払賃金の請求をするとともに、A社長および会社等に対し、パワハラ行為に対する損害賠償165万円(慰謝料150万円等)を請求して提訴提起した。
- 判決の概要
福岡地裁は、会社に対する割増賃金等約900万円の請求を認容するとともに、パワハラ行為に対する損害賠償約110万円(慰謝料100万円等)の請求も認容した。
- パワハラに関する裁判所の認定
- A社長らの行為は、暴行および人格権を侵害する不法行為であり、従業員の行為についても、A社長の指示ないし制止すべき義務の違反で行われた。
- B社員の土下座は、Bの自発的な意思によってされることは考えにくい行為であり、強制された不法行為であり、A社長は制止せず放置したからA社長の指示による土下座と同視できる。
- 社長名義のブログへの掲載は、名誉棄損行為であり、A社長には防止すべき義務の違反が認められる。
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